2月7日は『国産ブナ材の日』
国産ブナ材の未来を考える

私たちは毎年2月7日を『国産ブナ材の日』に制定しました(日本記念日協会認定済)。数字の2と7を「2(ブ)」と「7(ナ)」と読む語呂合わせから、この日にしました。日本各地にブナ林はありますが、現在はほとんど活用されていません。普段ブナを使ってハンガーを作っている私たちは日本のブナ林を通して自然保護と森林資源の活用促進、地方創生の実現を願い、2022年に『国産ブナ材の日』を制定しました。この日をきっかけに日本の豊かな自然のこと、森林のことに目を向ける。そんな日になることを願っています。







スノービーチ【雪国のブナ】

日本国内のブナは雪国を代表する樹木です。およそ半世紀前まで山間地の集落に暮らす人々は、ブナを薪や炭に加工して、私たちの日々の暮らしを支えるエネルギーとして供給していました。しかし石油や天然ガスが主役になった今では、ブナはほとんど利用されなくなりました。利用されずに成長して大きく育ったにもかかわらず、ブナは集落の人々の暮らしを支えることができなくなったのです。



一方で、国内に流通しているブナ製の家具のほとんどがヨーロッパ産のブナから作られています。せっかく活用できる国内のブナがあるのに、利用されていません。また、山は公共のものと思われがちですが、炭や薪に活用されていた森の多くは、個人が所有しています。つまり、ブナを活用することは、山に暮らす人々の生活を支えることにつながるのです。







2015年、ブナ材を活かすことで山間地域の人々の暮らしや林業の活性化に貢献したいという志のもと、新潟県の大学教授、森林組合、材木店、職人などによってスノービーチプロジェクトが発足しました。雪国新潟本来の植生であるブナを利用した、広葉樹林業の実用化に向けて活動しています。ブナ林の育成と活用、再生を行うことで地域の天然林の保全や、そこに住む生物の生息空間の保護、さらに地域の活性化が期待できます。ブナ林は水源の森。大量に伐採することなく、少しずつ活用しながら確実に世代交代を行うことが求められます。少量の資源で人々の生活を支えるためには、ブナ材に高い付加価値を持たせることが必要です。プロジェクトでは、新潟県産のブナをスノービーチと名付け、新たな活用方法を模索し続けております。






私たちの作るハンガーはブナ材でできています。ヨーロッパの循環利用の仕組みが確立した森林のブナ材です。日本でも育成と活用、再生という循環利用の仕組みを行うことは、地域の天然林の保全やそこに住む生物の生息空間の保護、さらに地域の活性化が可能です。日本のブナが国産ブナ材として広く活用され、健全なブナ林の運営と保護が成り立つ未来を思い描き、私たちは「スノービーチプロジェクト」に賛同し、協力してまいります。

NAKATA HANGERは、国産ブランドメーカーとして国内のブナ林業のサステナビリティを考え、純国産のハンガーを商品化させたハンガーが、「スノービーチハンガー」です。

2022/3/25(金) に、大白川集落のブナ林で行われる間伐と人力による集材のボランティアに参加しました。3m以上積もった雪深い山肌に力強くまっすぐと伸びたブナ林は、非常に美しいものでした。天候も良く、約40人のボランティアの方々と共に間伐されたブナ材の丸太を人力で運び出しました。丸太は雪上を滑らせて下ろしますので、雪が残っているこの間しか人力での運び出しはできません。いつもは板材の状態でしか見ることのない生のブナ材の丸太は想像以上に重いので、非常に体力を使う作業です。しかし、このように定期的に間伐することで良質なブナ材を持続的に育てることが可能となるのです。スノービーチに関わる様々な人たちと交流したことで、スノービーチの意義やその土地の人達の想いをしっかりと確認でき、有意義な経験となりました。

今回実際に間伐されたブナ材を、製品化いたしました。国内のブナ林業のサステナビリティを考えた純国産の「スノービーチハンガー」。自分たちの手で運び出したスノービーチから作り出したハンガーは、より思い入れが強くこもったものに仕上がりました。是非この機会に国産ブナ材を肌で感じて頂ければ幸いです。